最近考えている事(Bin2&OSC)

CMOSカメラ

 Xでは入れているのですが、ブログでも書いて残しておこうかと思います。

現時点ε-180EDでもTOA-130NFBでも撮影はフルサイズですが、Bin2での撮影としています。カメラはε-180EDはASI6200MM Pro、TOA-130NFBはSkyEye62AM(今後変更予定)。共にピクセルサイズは3.76μmです。Bin2扱いなので 7.52μm四方ですね。何故Bin2にしているかは以下の表です。

機種FL
(mm)
F値半値全福
(FWHM)
半値全福
秒角
シンチレーション/
シーイング3秒角
FULL RMS
TOA30NFB
+645FLT
9907.62.9μm0.610.2μm6μm
ε-180ED5002.81.1μm0.4
7.3μm

10μm
(画角5度)
ε-180ED+Extender7704.31.7μm0.411.2μm5μm

「シンチレーション/シーイング3秒角」は撮影地富士ヶ嶺での想定シンチレーション/シーイングで、やや山に囲まれている所なので国内一般として見られている2秒角より大きく取っています(用語的にはシーイングの方が良いかも)。又対応する値は、望遠鏡焦点位置で3秒角の振れ範囲の長さを示しています。星がシンチレーション等で動く範囲が、TOA-130NFB+645FLTでの焦点面で10.2μm範囲と判断しています。この範囲で星像が揺らいで撮影されていると言うように捉えています。その星像がFWHMの大きさを中心に回折像になっているという事です。更に撮影では赤道儀でのガイドを実施していますが、ガイド誤差やぺリディックモーションでのズレも加味されてきます。
従って、現時点の露出時間30秒から180秒ではFWHM+回折像の大きさよりも、シンチレーション等で肥大した星像になっているのではと考えている事です。

1.なぜBin2にしているのか
 いくら設計上RMS値の良い望遠鏡でも又同時にピクセルピッチが小さくても、現状実際面で撮影されてくる星像は上記でのシンチレーション等での肥大を考えた方が良いのではとの自己判断です。但し、露出時間に注意して下さい。ラッキーイメージングのような微小露出時間ではシンチレーション影響を無視できる可能性もあるからです。
 この考えを前提としてカメラのピクセルピッチを考えると3.76μmは、それほど拘るような値でなくBin2での7.52μmでも遜色は無いと考えたからです。寧ろ丁度良いとも言えます。
Bin2にすると感度は上がるが解像度で劣ると言われると思います。感度が上がる点はメリットですが、解像度はそもそも対象がブレておりそのブレもBin2ピクセル範囲なら全くもって劣ることは無いと判断しています。
これがε-180ED+エクステンダーとTOA-130NFB+645FLTで Bin2撮影をする背景です。

2.Bin2ならモノCMOSカメラでは無く同等ピクセルのOSCカメラでも十分ではないか
 この点は最近思い始めた点です。ASI6200MMではOSCとしてASI6200MCも有ります。此方なら一回の撮影でRGBはOKです。モノのBin2はOSCでは意味が無いようになり、寧ろベースからBin2に近いような写りとも言えます。2ピクセル四方(Bin2に相当)でベイヤー配列のRGGBのフィルターにて撮影されて処理のデベイヤー処理で各ピクセル毎に色付けされてきています。OSCなので偽色の発生も懸念されますが、これはシンチレーション等によりそれ相応で露光されてしまうので、殆ど無しに近いと想定しています。
このような事を明示的に記載している記事などは見てはいない(偶々遭遇していないと言った方が良いかと思います。又は私のこの見解が間違っている等)のですが、理論面でなく実際面の結果として無視できる面ではないかと思うところです。また、デュアルナローバンドフィルターを使えば簡単にHOOのナローバンドも撮影出来ます。2種類のデュアルナローバンドフィルターを駆使すればSHOも可能です。
 精度よくHOOやSHOを残すのであれば、モノCMOSカメラを使用すれば良いので、そこそこにて撮影をするとしたらデュアルナローバンドフィルター+OSCで素早く簡単に撮影できる点はメリットではあります。今はモノカメラもフィルターも有りますので、シッカリしたHOOやSHOは撮影可能ですのでそれは残して置くつもりです。ただ今時点どうも処理でシックリしない面があり、未熟な画像処理手法でしかたがない面があります。

用語が混乱(シンチレーション/シーイング)しているので、Googleにて調査;AI解説
シンチレーション:星の光が地球の大気を通過する際に、大気中の温度や密度の変化によって屈折し、星の明るさや色がちらついたり、位置がわずかに変動する現象です。
シーイング:望遠鏡で天体を観測する際に、星像が揺れて見える状態のことです。シーイングが良いとは、星像が安定している状態、シーイングが悪いとは、星像が大きく揺れている状態を指します。

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